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議会記事

15年7月2日付・朝刊

「安保環境改善と合憲の両立を」 高知県議会で尾ア知事

 高知県議会6月定例会は7月1日から一般質問が始まり、国会で焦点となっている安全保障関連法案の議論が交わされた。尾ア正直知事は「わが国の安全保障環境の改善に資することとともに、合憲であることを両立させることが大事なポイントだ」と述べ、国会で徹底議論を求める考えをあらためて示した。

 上田周五氏(県民の会)は、法案により自衛隊員のリスクが拡大する懸念などを挙げ、尾ア知事の認識をただした。

 尾ア知事は、集団的自衛権の行使について「あくまで自衛の目的に限定した形であれば一定容認される」と強調。他国への攻撃であっても、武力行使の旧3要件が示す「わが国に対する急迫不正の侵害」とみなすことができる場合、「集団的自衛権に関しては、憲法9条に照らして合憲であると思っている」と述べた。

 自衛隊員のリスクに関しては「新たな業務が加わることになると、当然に隊員の任務が増え、新たなリスクも想定される」と指摘。海外派遣では国会の承認による歯止めがあり、後方支援で戦闘行為が発生すれば、活動を中止する仕組みや運用が図られることになっているとし、「これらが隊員の安全確保の対策として十分かどうか、国会で十分な議論をお願いしたい」と述べた。

 また、高知県内の市町村議会で法案の制定中止や慎重審議を求める意見書の可決が相次いでいる状況に触れ、「背景として(国会で)法案の説明や議論が十分でないことが挙げられるのではないか」との見解を示した。

 塚地佐智氏(共産)が、法案の必要性を説明する具体的な事例が国会の議論でも示されていない点を問題視すると、尾ア知事は「考え得るケースをあらかじめ想定し、対応できるような法整備をしておくことは国民の生命財産を守るために必要だ」と答えた。

 浜田英宏氏(自民)は質問の中で「2016年の参院選を控え、政府・自民党が戦争をする法案をつくるわけがない」と述べ、「戦争法案」と形容する野党側の対応を批判したが、尾ア知事に対する答弁は求めなかった。

    

■質問詳報■

 上田氏 安全保障関連法案の違憲性や、自衛隊のリスク増加をどう考えているのか。

 尾ア知事 集団的自衛権の行使は、武力行使の旧3要件から連続的かつ合理的に展開できる範囲内に収まるものであれば、憲法9条に照らして合憲だと思っている。自衛隊に新たな業務が加わると、当然に隊員の任務が増え、新たなリスクも想定される。海外派遣の際の国会承認による歯止めや、戦闘行為が発生した場合の活動休止など、安全確保の仕組みが十分かどうか、国会で十分に議論をお願いしたい。

 塚地氏 政府は安保関連法案が必要という根拠を示せていない。

 尾ア知事 現時点でわが国の安全と平和を直接脅かすことが現実に起こっていないが、今後起こり得る事実は存在する。考え得るケースをあらかじめ想定し、対応できるように法整備をしておくことは国民の生命財産を守るためにも必要だ。

 塚地氏 宿毛市が2015年2月、防衛省に出した要望書は宿毛港を軍事拠点として活用することを求めるものだ。

 尾ア知事 宿毛市が宿毛市議会、宿毛商工会議所と一体となって海上自衛隊の誘致に取り組んでいることはよく存じている。要望もその一環と認識している。

 塚地氏 (要望施設の)中身や規模も分からないのに、それを認めるのはいかがか。

 尾ア知事 (海自誘致は)2013年3月の宿毛市議会で請願が採択されている。要望書も宿毛市長、宿毛市議会議長、宿毛商工会議所会頭の連名で、その事実は重い。私は基本的に市町村が行っていこうとすることは応援させていただくという立場だ。ただ、住民の懸念の声があれば、耳を傾けなければならないことも確かだ。


 
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