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15年6月14日付・朝刊

安保で注目の憲法審査会って何? 高知市で15日に公聴会

 衆院憲法審査会は6月15日、高知市で地方公聴会を開く。6人の陳述者が憲法について意見を述べ、憲法審査会の委員と質疑を交わす予定だ。集団的自衛権行使を可能とする安全保障関連法案が合憲か違憲かをめぐる議論で注目を集める憲法審査会。その成り立ちと経過は、憲法改正に向けた動きと連動している。 

 憲法審査会は、第1次安倍政権下の2007年5月に成立した国民投票法に基づき、2007年8月に衆参両院に設置された。それまで両院にあった「憲法調査会」や「憲法調査特別委員会」を引き継いだ格好だが、機能は大きく異なる。

 前身の2組織が憲法一般や国民投票法案を議論したのに対し、憲法審査会は憲法の「広範かつ総合的」な調査に加え、「憲法改正原案、憲法改正の発議」を審査する機関として国会法に明記されている。憲法96条に基づき、衆参各院の総議員の3分の2以上の賛成で改憲案が発議された場合に備え、設置されたわけだ。

 発足当初は、投票法整備を与党が強引に進めたとして民主党などが反発。2011年まで「休眠状態」が続き、議論開始は2011年11月にずれ込んだ。

 憲法審査会の動きが活発になったのは、自民党が政権を奪取し、改憲に積極姿勢を示す安倍晋三首相が再び政権の座に就いた2012年以降だ。2013年には改憲発議のハードルを下げる96条改正をめぐって、各党が意見を戦わせた。

 今国会では、平和安全法制特別委員会とともに、憲法審査会が「安保関連法案は合憲か違憲か」という議論の“主戦場”になっている。6月4日、自民党推薦を含む参考人の憲法学者3人全員が、法案を「違憲」と明言したのも憲法審査会の場。その後も、与野党の代表者が自由討議で火花を散らした。

 憲法審査会の委員は衆院が50人、参院が45人で構成。会派の所属議員数に応じて割り振られている。高知県関係では、いずれも自民党の山本有二氏(衆院高知2区)と高野光二郎氏(参院高知県選挙区)が名を連ねる。

 

 衆院憲法審査会が高知市で開く地方公聴会は、2014年11月の岩手県盛岡市に続き全国で2回目。「前回が東日本だったので今回は西日本の中から選ばれた」(事務局)という。山本氏と高野氏は出席を予定していない。

尾ア正直知事ら6人が陳述

 高知市での公聴会では、今国会の焦点になっている安全保障関連法案のほか、立憲主義、地方自治の在り方などが幅広く取り上げられそうだ。陳述者は尾ア正直知事ら6人。衆院憲法審査会側からは、保岡興治会長ほか7人の委員が参加する。

 陳述者のうち、高知自治体労働組合総連合の筒井敬二執行委員長は、安保関連法案について意見を述べるつもりだといい、「法案は憲法の枠をはみ出している。自衛のために海外の戦争に参加する国になるのでは」と懸念する。

 高知大学人文学部の岡田健一郎准教授は「解釈改憲で集団的自衛権の行使を認めると、憲法で権力を縛る立憲主義の大前提が崩れる」と強調。「衆院憲法審査会の委員に『本当にこれでいいのか』と問いたい」としている。

 「今の憲法を変える必要は全くない」とする高知市の主婦、竹田昭子さんは「憲法を改正するのなら厳格な手続きが必要。国民投票法に最低投票率を設け、一定水準以下なら改憲は無効とすべきだ」と話す。

 尾ア知事は「南海トラフ地震に備えて、国会議員任期の特例などの規定を憲法に盛り込んではどうか」と提案。国政に地方の意思を反映させる仕組みを憲法に明記することも求める考えだ。

 各陳述者の発言は10分で、その後、委員と質疑を交わす。時間が限られているため、憲法の議論を深めるというより、多様な意見を聞く場になりそうだ。

 会場は高知市九反田のホテル日航高知旭ロイヤルで、午後1時から2時間半を予定。一般傍聴は既に応募が締め切られ、当日参加はできない。 


 
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