
地元漁師が救援物資運搬 全国初 高知県、海保と協定
南海地震の被災者に食料や医療品などの救援物資を運ぶ際、各地の漁船を活用する協定を二十七日、高知県内の漁師らでつくる県水難救済会と県と高知海上保安部が結んだ。災害時の物資輸送で三者が協定を結ぶのは全国初。今後は発生時の具体的な連携について話し合っていく。
内閣府の調査によると、県沿岸部にある約百四十の漁業集落のうち、半分の集落が地震で陸路が遮断されて孤立する可能性があるという。海からの物資輸送が重要になるが、揺れや津波で港が壊れた場合、海保の巡視船など大きな船は陸に近づけないことが問題になっていた。
協定はこうしたケースを想定。近くの沖まで来た船から小回りの利く漁船が物資を受け取り、地域の被災者に配る。地形や被災状況を把握している地元の漁師らがかかわることで、配給がスムーズになるという。
県水難救済会は、漁師ら五百七十五人が所属するボランティア団体で、県沿岸部に九つの救難所と六十一の支所がある。地震時に県や同保安部と連絡が取れる無線などの通信設備はまだなく、今後設置する。沖で物資を受け渡す訓練も同保安部と行っていくという。
同会の澳本勝彦会長は「津波で使えなくなる漁船も出てくる。地震時に港の被害を迅速に把握できるよう各地域で訓練していきたい」と話していた。
【写真】県水難救済会、県、高知海保の代表が出席して行われた協定調印式(県庁)
(2009年03月28日朝刊)