医療機関が無線で連結 南国市で34カ所に配備
南海地震など災害時に救護活動を迅速に行えるよう、南国市は市内の病院などほぼすべての医療機関に医療救護用無線を三十四台整備した。高知龍馬空港でのボンバルディア機胴体着陸事故の際、現場で携帯電話などの通話が難しくなったことを教訓にしており、十一月から運用を始める予定。
十八年に県がまとめた南海地震の被害想定によると、同市内の死傷者は最大約一千三百人で、家屋の下敷きや津波による死者は約四百五十人という。被災時に医療機関と災害対策本部などを結ぶ緊急連絡網は、国がデジタル無線の配備を推奨。同市も数年前から検討したが、多額の設置費がネックだった。
今回整備されたのは、設置費や維持費などが比較的安いアナログ無線電話。基地局を市保健福祉センターに置き、市内の病院と診療所、市総務課など計三十三カ所に無線子機を配備。停電時でも内蔵バッテリーなどで最低二十時間ほどは稼働可能という。整備費は約二百九十万円。
導入の契機となったのが、昨年三月の高知空港でのボンバル機の胴体着陸事故。同空港へは市内からも多数の医師が駆け付けたが、「混信などで携帯がつながらない状態が長く続いた」と事故後、地元医師会から同市に緊急時に対応できる機器導入の要望が強く上がっていた。
震災時、医療機関に指示を出す同センターの島崎俊二次長は「被災状況によっては、事前に決められた救護所に医師が行けない場合もある。電話の断線や携帯が混信した際、威力を発揮してくれる」と期待している。
県内では高知市が市内十七カ所の医療機関に同様の無線を整備している。県などによると、ほぼすべての医療機関に配置したのは南国市が初めてという。
【写真】基地局となる南国市保健福祉センターの無線電話(南国市大嚶b)
(2008年10月23日朝刊)