巨大南海地震特徴解明へ 石土池(南国市)を掘削
南海地震の津波の痕跡を探ろうと、高知大学理学部の岡村真教授(地震地質学)らがこのほど、南国市十市の石土池を掘削調査した。水底から約三千―八千年前に堆積(たいせき)したとみられる層を採取。今後、南海地震の中でも特に規模が大きい地震の周期や特徴の解明を目指す。
岡村教授らは、南海地震などで津波が襲来する静岡県から高知県、大分県にかけての沿岸部にある湖や池で、掘削調査を進めている。
これらは地震のたびに沈降し、津波が浜堤(ひんてい)を越えたり、川をさかのぼって流入する。このため、水底の堆積層を調べることで、地震の周期や津波の規模が読み取れるという。
これまでに大分県佐伯市の龍神池の調査を基に、南海地震のうち特に巨大な地震は平均五百年周期で繰り返されていることを突き止めている。
この研究をさらに進めようと、高知県内でも調査を続けている。石土池の掘削は昨年に続き三回目。現在の池は海岸から五百メートルほど離れているが、古くは入り江だったり、浜堤が今より高かった時代もあるとみられている。
昨年の掘削では、六千三百―七千三百年前の一千年間の試料に、津波がもたらした砂の層を四層確認。当時はほぼ二百五十年間隔で津波に襲われたことが分かった。
今回は池の中心部で三日間にわたって掘削。水底から直径七・五センチのパイプを約五メートル打ち込み、昨年より幅広い年代の約三千―八千年前とみられる層を連続して採取することに成功した。
岡村教授によると、石土池は比較的規模の小さい津波の痕跡は残っていないとみられる。「そこに痕跡があるということは、南海地震の中でも宝永地震(一七〇七年、推定マグニチュード8・6)のような特に大きな地震の周期や、特徴を探れるのではないか」と指摘。今後、試料の年代測定を実施し詳しく分析する。
【写真】水底からパイプを打ち込み、太古の堆積層を抜き取って調査する(南国市十市の石土池)
(2008年09月02日朝刊)