地下水で地震予知 県内3カ所に観測井戸
08年02月28日朝刊
地下水を観測して南海地震の予知につなげようと独立行政法人・産業技術総合研究所(茨城県つくば市)が高知市など高知県内3カ所で観測井戸の整備を進めている。3月末の完成予定で、今春から観測を始める。
観測井戸は産総研が一九七〇年代後半から全国で整備を進めてきた。二〇〇七年度末までの二年間は東南海・南海地震の震源域に十二カ所を整備予定で、県内では昨年十月から約九億四千万円をかけて室戸市室戸岬町、高知市介良、土佐清水市松尾で掘削が始まっている。
いずれも三つの井戸(深さ六百メートル、二百メートル、三十メートル)を掘削、水位計や地震計などを穴の中に入れ、データを常時、産総研に送信する仕組み。
産総研によると、地下水は地盤が伸びると水位が下がり、逆に地盤が縮むと圧力がかかって水位が上がる。大地震が起きる数日前にプレート同士がゆっくりとずれて地盤が動く「前兆すべり」の際に地下水位が動くとされ、前兆すべりをとらえられれば東南海・南海地震の予知につながる可能性があるという。
地震と地下水の関係は県内でも一八五四年の安政南海地震と一九四六年の昭和南海地震の前後に井戸枯れなどが記録されている。産総研地震地下水研究グループの小泉尚嗣グループ長は「現段階で南海地震を予知することは難しいが、データが何回か集まれば将来は予知につながると思う」と期待を寄せている。
【写真】整備中の観測井戸。右のやぐらで深さ600メートル、左で200メートルの井戸を掘っている(高知市介良)