
音楽の世界の 広さと深さ
「めかくしプレイ」=写真 松山晋也/ミュージック・マガジン
アーティストたちに“目隠し”をしてもらい、ジャケットもライナーノーツも、何にも情報を与えず、音楽だけ聴いてもらう。その音楽に関して筆者とアーティストが対話する―という、ちょっと変わったインタビューもの。
そんな対話が、とても面白い。理由は2つ。
一つは筆者・松山晋也の音楽知識の深さ。とことん、アーティストにかかわりのある音楽をかけてゆく。読んでいて「それ、聴かせるかぁ〜うまい!」とうなるほど。
例えば、JOJO広重にアーント・サリー。菊地成孔に近田春夫&ハルヲフォン。レイ・ハラカミにエイフェックス・ツイン。最高の組み合わせがアーティストを、好きな音楽の分析から自分とのかかわりにまで、しゃべらせまくる。
もう一つは、アーティストが「こんな音楽を聴いていたのか」と意外な側面を多々見せてくれていることだ。
レディオヘッドを聴かされたくるりの岸田繁は、ファンだと明かしながら、その理由を「ハーモニーに対する工夫」だと告白する。DJ・Chari Chariこと井上薫が聴かされたのは23スキドゥー。この80’sアンダーグラウンドのガムランバンド名を、彼はイントロ2秒で回答。今もスピンしていると語る―など。
音楽の世界がいかに広く、深いものであるか。そのことに胸躍る一冊である。
2007年6月2日付・夕刊

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