|

07年4月23日付・朝刊
東洋町核廃撤回へ 町長選は沢山氏が圧勝
高レベル放射性廃棄物(核廃)の最終処分施設問題をめぐって前町長が辞職した安芸郡東洋町の出直し町長選挙は22日に投票が行われ、即日開票の結果、核廃反対派が擁立した無所属新人の前室戸市議、沢山保太郎氏(63)が、原子力発電環境整備機構(原環機構)による「文献調査」の推進を訴えた無所属前職の田嶋裕起氏(64)を1000票を超える大差で破り、初当選した。当選後、沢山氏は核廃調査地への応募撤回と文献調査中止を求める町長名の文書を23日に資源エネルギー庁と原環機構へ送付することを明らかにした。
核廃施設建設に向けた文献調査への応募をめぐり、住民団体が進めた解職請求の動きを受けて田嶋氏が出直しを図った今回の町長選は、「反核」を旗印とする沢山氏との一騎打ちになった。田嶋氏は「文献調査による交付金を活用したい」と訴え続けたが、「核の持ち込み阻止」で団結した沢山氏の陣営が終始、運動量で圧倒した。
当選した沢山氏は昨秋以降、「東洋町の核廃棄物埋設施設に反対する県民連絡会」の代表として活動。今月11日の正式出馬表明から一貫して「町長に当選すれば最初の事務として応募撤回の文書を国や原環機構に送る」と明言していた。
全国の注目を集めた戦いに町民の関心も高く、投票率は89・26%を記録。開票は午後8時半から町役場で行われ、開票率30%前後から沢山氏がリード、そのまま差を広げた。投票総数の7割を獲得する圧勝だった。
沢山氏を支援したのは今年1月に町議会へ施設反対の請願を提出し、核廃拒否条例制定の直接請求にも取り組んだ「東洋町リコールの会」。陣営には町内だけでなく、隣接する室戸市や徳島県海陽町からも有志が集まり、精力的な運動を展開した。同氏は東洋町にはほとんど基盤を持たないが、支援者を通じた連日の町内回りと、「反核」一色の明確な訴えで知名度不足も問題とはならなかった。
田嶋氏は「文献調査への応募が即、施設の建設ではない」とし、交付金の利用などに理解を求めた。しかし「反核」の盛り上がりの中で支持層の動きも鈍り、訴えは浸透しなかった。
【写真】東洋町の出直し町長選で「反核」を訴えて圧勝し、花束を両手に笑顔を見せる沢山保太郎氏(22日午後9時20分ごろ、東洋町野根)
文献調査中止させる
沢山保太郎氏の話 国は放射性廃棄物の処理の見通しもないまま原発を造り続け、ごみを生み続けている。そんな無責任なやり方を東洋町民は拒絶した。国は原子力政策の破綻(はたん)を認めるべきだ。文献調査を中止させる。
沢山保太郎(さわやまやすたろう)(63) 無新(1) 立命館大卒。平成11年、室戸市議に初当選。2期目途中の18年11月、同市長選出馬のため辞職。県市民オンブズマン連絡会議代表幹事。白浜。
| ◆東洋町長選開票結果 |
当1,821沢山保太郎(63)無新
761田嶋 裕起(64)無前
|
|
【メモ】当日有権者数2,934人。投票者数2,619人。有効2,582票。無効36票。不受理1票。投票率89.26%。(選管最終22日午後9時40分) |
|