▼下 議会変える方法を
投票率の低落が続き、政党や団体の組織票に依拠した議員が大勢を占める高知市議会。会派の勢力図が固定化し、与野党の色分けもぼやける中、執行部が議会対策で立ち往生する場面はほとんどなくなった。
「投票率が低ければ、うちの候補も含めて現職が有利だが、強力な新人に入ってもらわないと今の議会は活性化しない」
今回の市議選で、ある現職の陣営幹部は複雑な心境を漏らす。改選後を見やるその表情には「たるんだ議会」への不満が透けて見えた。
【写真説明】高知市議選候補のポスターを見比べる有権者ら(高知市内)
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改選を直前に控えた同市議会3月定例会。議員に支給される政務調査費をめぐる論争がにわかに熱を帯びた。
仕掛けたのは共産党。「公金である調査費の領収書をすべて公開し、使途を透明にするべきだ」。同党は制度見直しの条例改正案を提出した。
公金使途の透明化は市民感覚に沿った要求だが、これに他会派の大半が反発。「抜け駆け。選挙向けのパフォーマンスだ」「まだ議論不足」。多勢に無勢。閉会日には「改選後に特別委を設置し、議会改革全般を議論する」という決議案を賛成多数で可決、結論を先送りした。
その直後の3月末、見直し論議をぶち上げた共産党を含む市議2人が、任期を約1カ月残して辞職した。理由は、4月からの議員年金の給付減を避けるため―。
市民感覚と寄り添えない議会は、執行部とのなれ合いも生んできた。
財政危機の主因となった過去の過大投資、「特定市民」に弱く不祥事を続発させる市役所の体質…。これらはそのまま、議会の監視力、チェック力不足を言い表す材料となっている。
今年3月、財政再建団体に転落した北海道夕張市。財政破たんの要因は、市が過大投資による巨額の借金を分かりにくくする“粉飾決算”にあったが、それを見抜けなかった同市議会の責任も厳しく問われている。
自治体の財政破たんは、行政監視を託して議員を選んだ住民に公共サービスの低下と負担増を強いることになる。
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現状を批判するばかりでは議会を変えられない。
多様な分野から有能な人材を議会へ送り込むには、その環境を整えなければならない。橋本大二郎知事が提唱していたように、サラリーマンが選挙に打って出て落選しても勤め先へ復職できるような「選挙休業法」などが、真剣に検討されていい段階にきている。
選挙で誰を選んでいいのか判断しにくい状況からすれば、負託した4年間の“勤務評定”も欲しくなる。議会の権限強化と同時に、ペナルティーも用意する必要がある。
投票率40%割れの危機。それは、選挙の在り方自体を主権者の市民が考えるよう迫っている。
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