▲下 制約 無所属にも数の論理
「自民圧勝、実質30議席」―。
16年前の1991(平成3)年。県議選の結果を、本紙はこんな大見出しで伝えた。全議席数(42)のうち7割強を占める「絶対安定多数」。終盤を迎えた中内県政は盤石の体制となった、と分析している。
だが、橋本県政に転じて以降3回の改選で自民議席数は22、20、18と目減り。今回は13まで後退し、議席占有率は全議席数(39)の3分の1に落ちた。
【写真説明】議員の出欠を表示するボード。無所属議員の増勢は県議会に変化をもたらすのか(県議会棟玄関)
▼使い分け
自民以外の各党に大きな増減がない中、相対的に議席数を増やし続けているのが無所属勢だ。
16年前の改選時に4人だった無所属は今回16人。自民を抜き初めて第一勢力になった。この構図は兵庫、三重などの県議会も同じ。長野では自民11人に対し、無所属は実に29人と大きく水をあけているが、橋本大二郎知事は告示前日の記者会見でこんな思いを口にしていた。
「三位一体改革で地方の力がそがれた面は否定できない。それは自民の候補も感じているという、ある意味、矛盾を抱えた中で行われる選挙。その辺りを県民がどう判断するだろうか」
小泉改革以降、地域間格差は広がる一途。本県など地方の体力が急速に奪われている事実は覆いようがない。
それが特に郡部で「自民の看板が民意を遠ざけかねない」との意識を生んでいる。自民陣営では今回、支持固めに組織力をフルに活用する半面、有権者に向けては演説やチラシから自民色を消すという「看板」の使い分けも見られた。
だが、「反自民」が党勢拡大の原動力になっている共産でも、党員でありながら無所属で立候補する候補を推薦・支持するケースが増えてきた。
党の「色」を薄めて無所属で立つ戦い方は従来から保守系の市町村議に見られたが、県議選にも表れてきた傾向は「政党政治の最前線」とされてきた県議会の見方を変えつつある。
▼ブランド化
「以前なら無所属は“等級外”だったかもしれない。が、今は無所属であることがブランド化している」。今回初当選した無所属新人は、こんな実感を口にする。
政党に属すると、多かれ少なかれ活動や発言が制約される。県議会でも国会と同様に、個人の考えより政党の論理が優先される場面が多々ある。それが積み重なれば、一票を託した有権者の思いとのずれは確実に広がっていく。
先の新人は「すぐに政党の会派入りはできない」と言い切る。背景には「支持者一人一人とつながっていたい」という思いがある。
ただ、議会は「数の論理」が支配する場。無所属議員には「縛られない自由」がある半面、無所属だけでつくった会派はまとまりが崩れやすく数の力を保ちにくい弱点もある。無所属勢を押し上げる民意。その期待に見合った議会運営のルールはまだ見えていない。
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