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知事と議会 '07高知 政治に訊け
1月30日付朝刊

▼11 民意 双方に促す結果責任

70―80メートル隔てた県庁本庁と議会棟を結ぶ回廊。知事と議会の距離は今…

 脱・政党を掲げて譲らない無党派知事と、党派の論理抜きに運営できない議会が生み出す「緊張」と「あつれき」―。橋本大二郎知事と県議会が描き出すそうした図式は、国政と連動した戦後の地方政治の潮流、その延長線上で展開されている。

 【写真説明】70―80メートル隔てた県庁本庁と議会棟を結ぶ回廊。知事と議会の距離は今…

 ▼脱・相乗り型

 1960年代から70年代前半にかけて、地方政治は大きな転換期を迎える。

 この時期、美濃部都政をはじめとする革新自治体が全国で台頭。国政にも影響力を持つようになる。危機感を強めた政府・自民党は、野党だった公明、民社両党と連携。保守・中道路線で首長奪回を図り、70年代後半から革新自治体は相次ぎ姿を消していく。

 代わって地方政治の場に出現したのが、共産党を除く「総与党化」だった。官僚出身者らに相乗りする現象が全国を覆い、中央とのパイプを駆使した補助金獲得競争が激化する。

 その結果、中内前県政で見られたように議会と執行部はなれ合い、議会はチェック機能を喪失していった。有権者の政党不信、政党離れは投票率低下につながり、地方政治の空洞化が深刻化していく。

 民意の大勢は、既成政党の枠組みにとらわれない地方分権時代の新たなリーダー像を追い始め、90年代以降、それを「改革派」と呼ばれる知事たちに重ね合わせていった。

 改革派の「トップランナー」として登場した橋本知事は、期を重ねて既に全国最多選タイの5選(実質4期)。この間、最大勢力の自民党の県議は過半数を割ったが、その数を補った無党派の県議たちも存在感を十分発揮できないまま。知事と議会の双方は、「脱・相乗り型」のモデル県として誇示できるまでの適切で安定的な距離感を築けているとは言えない。

 ▼成熟へ

 今の「知事と議会」の関係を県民はどうとらえているのか―。

 昨年12月に高知新聞社が実施した世論調査では、「双方が歩み寄るべきだ」が39・6%でトップ。「議会が協調すべきだ」は16・4%、「知事が協調すべきだ」は11・0%。一方で「緊張感があり今のままでよい」とした回答も20・4%と、現状を肯定する層も一定の厚みを見せている。

 だが、意見欄に寄せられた声の多くは、改革派知事への賛辞でも議会の評価でもなく、疲弊した本県の再興を望む訴えだった。

 「このままでは高知は滅びる。生き残るためにどうすべきか命懸けで考えて」「地方を切り捨てる国の言いなりにならないで」「目先のことだけにとらわれず県民のことを一番に」―。

 結果責任を負うのが政治。民意は、県政のリーダーとその同伴者たちにあらためてそれを促しているのではないか。

 緊張、衝突、リセット、そしてまた緊張…。丸15年に及ぶ橋本知事と県議会の関係はそれらを繰り返してきたが、党派の論理を超えた本物の「是々非々」こそが地方政治の低迷や腐敗を排する上で欠かせない。

 しかし民意は、現状に否定的だ。成熟した双方の関係を求めて、知事には議会をうならせる施策展開と結果を、議会にはより高所からのチェック・アンド・バランスと提案力を求めているようでもある。(「政治に訊け」取材班)

=「知事と議会」おわり=

 

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