審判に向けて 明日をあきらめるな
「夕張市のようにならないことを願うばかり」
「高知県のこれからは全く暗闇で、財政再建団体になりそうな気がする。できれば僕は県外に出たいと思っている(夕張市のようになりそうなので)」
―やはり、と言うべきだろうか。
高知新聞社が昨年12月に実施した県政世論調査の意見記入欄。そこに記された本県の先行きを案じる悲壮な言葉の数々に、北海道夕張市の名がいくつか交じっていた。
公共料金は軒並み値上げ。学校統廃合で著しく劣化する子供たちの教育環境。退職を望む市職員も4割に…自治体が財政破たんした場合の影響をまざまざと思い知らせる“夕張ショック”が、財政危機と経済的困苦にあえぐここ高知県の住民にも切迫感をもって伝わっていることが分かる。
その上に「格差」だ。
小泉構造改革がもたらした競争社会は「勝ち組」「負け組」への二極分化を推し進め、都市部ではワーキングプア、非正規に働かされる貧困層が増大。地方ではコミュニティー(地域社会)の崩壊と消滅が恐ろしい勢いで進行している。
もともと高知は、社会資本も産業集積も税源も乏しい。構造改革は自治体や地域からカネと人と仕事を奪い続け、悪循環に輪を掛ける。若年労働人口の県外流出と生活保護受給世帯の膨らみが同時進行するその先は…。
世論調査の意見欄にはこんな記述も見えた。
「高知県から高知村への道をたどりかねない」
「本県は“うば捨て山”にまい進している」
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2007年。今年は身近な市町村選挙から県知事選、そして政権の行方を左右する参院選が相次ぐ「選挙年」。選挙と政治を一年を通して考えるシリーズのテーマに次の文言を据えようと思う。
政治に訊(き)け―。
「訊」という字は「問いただす」という意味。政治に問いただすこと、それはつまり、「現状を打開していく答えは政治の中に求めていくしかない」「政治をあきらめるな」ということでもある。有権者が政治に背を向け、あきらめた時、まさに冒頭の懸念が現実になっていく。
政界の人材難を指摘する声は、国政、県政を問わず聞かれる。「誰を選んでも一緒」「どの政党がなっても変わらない…」。選択肢の乏しさを嘆く声も根強い。
しかし、忘れてはいけない。選挙は目の前にある政治に審判を下す作業だということを。良質な民主政治を引き寄せられるのは、政治意識を高めた有権者であることを。
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シリーズでは、さまざまな観点から目の前にある政治に迫ろうと考えている。
まず、県政。トップリーダーの座に橋本大二郎氏が就いて丸15年。この間の県政の航跡からは、一つの大きな特徴が浮き上がっている。中内前県政当時には見られなかった知事(執行部)と県議会の緊張関係だ。
平素は政治に関与しない「草の根」支持層が原動力となって生み出した無党派知事と、政党政治を基本に政治を生業(なりわい)としている議員たちの関係はどう変化したのか。それは成熟と呼べるものなのか。
望ましい地方政治を手繰り寄せる手掛かりとして、「知事と議会」から解き起こしてみる。(「政治に訊け」取材班)
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