| 2007年9月27日(木)<朝刊>
黒潮マンガ大賞受賞者がプロデビュー 溶接工体験を作品化
昨年の「黒潮マンガ大賞」(高知新聞社主催)で準大賞に輝いた野村宗弘さん(32)=千葉県松戸市=が、現在発売中の講談社の漫画雑誌「イブニング」でデビューを果たした。
野村さんはショートストーリー漫画「ケーブルニヤリ」で、第十八回黒潮マンガ大賞の準大賞(大賞は該当作なし)を受賞。広島市で溶接の仕事の傍ら漫画を描いていたが、審査員で小学館の漫画雑誌編集者の八巻和弘さんの勧めもあり、漫画家になることを決意。昨年六月に家族とともに上京し、漫画のアシスタントの仕事をこなしながら、作品の制作に専念していた。
今年七月、「イブニング」の新人賞で奨励賞を受賞したことをきっかけに新作の掲載が決まった。
二十五日発売の最新号に載っているのは「とろける鉄工所」。溶接工としての体験に基づいた仕事の内幕や、人間模様を悲哀も込めてコミカルなタッチで描いている。
同誌担当編集者の川添千世さんは「(新人賞の)審査員だった伊藤理佐先生が『元溶接工なら、それを漫画にしてみたら?』とおっしゃったことから生まれました。実体験を生かして作った話ばかりで、リアリズムにあふれた作品になっています」と話す。
デビューを喜ぶ野村さんは「ほとんど知られていない溶接の仕事を知ってもらいたかった。人生に対して、あきらめのようなものを感じながらも、懸命に仕事をしているおじさんたちの姿も伝えたかった」と話す。
今回の「とろける―」は単発の掲載だが、野村さんは既に続編も準備。反響次第で随時掲載になる可能性があるという。
【写真】野村さんの「とろける鉄工所」が掲載されているイブニング最新号 |