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こども高知新聞

2007年04月08日
さようなら、まつが峠 葉山小の大崎さん

6年間の思い出が詰(つ)まったまつが峠を歩く奈都喜さん=左=と綾加さん(津野町三間川)

 3月中旬(ちゅうじゅん)、こども高知新聞に一通のこども記者(きしゃ)だよりが届(とど)きました。高岡郡津野町、葉山小6年の大崎奈都喜さんが送(おく)ってくれた「ありがとう」という題(だい)の記事。文章(ぶんしょう)はこうです。

 私たちの班は、朝学校に登校する時に「まつが峠」という峠を4人で越えてきています。でも来年度から、班員が2人だけになります。だから、まつが峠を越えずに、下の道路から行きます。今は、練習で下の道から行っています。

 卒業までの2日間。私と、同級生の綾加ちゃんは「6年間越えてきた、まつが峠を越えたい!」と先生にお願いしました。そしたら先生が、「いいで」と言ってくれました。次に先生が、「何か質問はありませんか?」と聞きました。すると私の班の2年生、紋子ちゃんが、「もう6年生とは一緒に行けないんですか?」となみだ声で言ってくれました。私はうれしくてなみだが出そうになりました。紋子ちゃんとは、2年間一緒にまつが峠を越えてきました。毎日楽しく登校してきた分、うれしかったし、さみしかったです。

 小学校生活は、あと2日間。この2日間は6年生の綾加ちゃんと、まつが峠を越えることになりました。もう4人で越えることはないけれど、これからも、私たちと一緒に登校したことを忘れないでほしいです。ほかの班の人たちと毎日楽しく登校してもらいたいと思います。

 今までありがとう。

 こども高知新聞担当(たんとう)記者の私(わたし)は、実際(じっさい)に奈都喜さんに会いにいきました。「まつが峠(とうげ)を一緒(いっしょ)に歩いてほしい」とお願(ねが)いすると、一緒に通っていた同級(どうきゅう)生(せい)の川村綾加さんも加(くわ)わり、3人で歩きました。

 奈都喜さんの家から十分ほど行った所(ところ)で、綾加さんが「ここ」と指(ゆび)さした道に驚(おどろ)きました。一人が歩くのがやっとの幅(はば)の、しかも急(きゅう)な道だったからです。「1年生の時はしんどかったき、つえがないと上がれんかった。落ちちゅう木を拾(ひろ)ったで」と笑顔(えがお)で話す2人。「久(ひさ)しぶりやねー」とスキップしながら、タッタッタッと上がっていきます。

 峠のてっぺんは両側(りょうがわ)が杉(すぎ)の林。「夏になったらクモの巣(す)がすごいき。木の枝(えだ)を振(ふ)りながら進(すす)まないかん」。下り坂では、右手に竹やぶが見えてくる地点から「ここは、よう走る。気持(きも)ちいいで」と駆(か)け下りていきます。最後(さいご)に待(ま)ち受(う)けるのは、緑(みどり)色のコケがびっしりと生えた「地獄(じごく)の道」。雨が降(ふ)った後で滑(すべ)るので、ゆっくりと進んだら、まつが峠は終(お)わりです。

 「ずっと通ってきた道やき、最後ぐらいは」と二人だけで峠を越(こ)えた2日間。「もう上がれんがやね」と言いながら、いつものように楽しく歩いたそうです。

 奈都喜さんは「まつが峠は怖(こわ)くて一人じゃ通れん」と言います。木の枝でヘビをたたいたり、遠足の帰りにこっそりお菓子(かし)を食べた楽しい思い出。それは、綾加さんや下級生が一緒だったからできました。

 この春から、奈都喜さんはJRで高知市内の中学校へ。綾加さんは自転車(じてんしゃ)で葉山中に通います。

 峠を越えて通った6年間で、二人は固(かた)い友情(ゆうじょう)を築(きず)いてきたんだなぁと感じました。通う学校が違(ちが)うようになっても切れないほどの。これからも、その友情を大切にしてくださいね。

 【写真説明】6年間の思い出が詰(つ)まったまつが峠を歩く奈都喜さん=左=と綾加さん(津野町三間川)


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