|
◆33 飲むたびに新たな発見 阿波うず潮ビール(四国化工機うず潮ビール製販課・徳島市)
一時は大きなブームを巻き起こした地ビール。徳島県内唯一の地ビール「阿波うず潮ビール」は、ブームが過ぎた後も着実に全国にファンを増やし続けている。
四国化工機うず潮ビール製販課(徳島市中洲町)が製造を始めたのは1998年3月。開業以来、常時製造しているのは「アルト」と「ケルシュ」の2種類。アルトは赤銅色をしており、まろやかなコクと心地よい甘みがある。ケルシュは琥珀(こはく)色で、ほのかな苦味とさっぱりした風味。
開業当初から製造に携わっている原田泰成さん(43)は「ビールに使う吉野川の水は軟水。硬度調整をすればコクが増すが、あえて調整せずに何杯でも飲めるように造っている。日本人の味覚に合わせたビールを楽しんでほしい」と話す。
水のほかに使用しているのは大麦とホップ、酵母だけで、伝統的なドイツ製法で醸造する。
まず、大麦を煮沸釜に入れて60―70度で2時間程度加熱。麦汁をろ過した後、ホップを投入し再び煮沸。発酵タンクに20度程度に冷ました麦汁と酵母を入れ10日ほど発酵させる。貯酒タンクに移してさらに約10日間熟成、たる詰めして完成させる。発酵方法は大手ビールメーカーとは異なる上面発酵と呼ばれる手法で、香り豊かで複雑な味に仕上がる。
アルトは麦芽の香りが色濃く残り、ケルシュはホップの香りが豊か。製造の手法や酵母に違いはなく、麦芽とホップそれぞれの配合割合と醸造時間の違いだけで性格の違いを出す。
「大手と違って完全に均質なものを造ることはできないが、それが地ビールの魅力。飲むたびに新たな発見があるところを堪能してもらいたい」と原田さん。
アルトは全国酒類コンクール(全日本国際酒類振興会主催)で二季連続1位となるなど、各種の賞で優秀な成績を収めている。評判を聞きつけ、最近では県外の大口顧客も増えているという。
4月で10年目を迎えた阿波うず潮ビール。原田さんは「評価が高い味は基本として守りながら、10周年を記念したビールなど、新たなものも手掛けていきたい」と抱負を語った。
【写真説明上】コンクールで高い評価を得ている「阿波うず潮ビール」
【写真説明下】煮沸釜で大麦をゆでる阿波うず潮ビールの従業員。仕上がる地ビールは着実に人気を広げている(徳島市中洲町)
◇
アルト、ケルシュとも350ミリリットル入り缶で希望小売価格は310円。アルコール度数は4・5%程度。徳島県内の酒販店や土産物店などでの販売のほか、インターネット通販も。問い合わせは、四国化工機うず潮ビール製販課(088・626・7700)。
(2007年4月8日付・朝刊) |