2007年3月22日付朝刊 【下】投手 夢へ一歩踏み出した
1年前の春。大学最終学年の野原慎二郎は卒業後、社会人チームで野球を続けたいと考えていた。大沢亮は工場勤務をしながら、週1回クラブチームでプレーしていた。それが今は、高知FDでプロを目指している。大きな夢に向かって小さく、しかし確実な一歩を踏み出した。
野原が四国ILを知ったきっかけは、摂南大の2つ先輩のリーグ初代MVPの宮本裕司。大学でバッテリーを組んだこともある先輩は、四国ILを「厳しいけどやりがいがある場所」と話してくれた。その話を聞くうち、「自分も挑戦したい」気持ちが沸き上がってきた。
トライアウトを経て、チームに合流して2カ月近く。周りの選手の意識の高さや野球に対する厳しさを、改めて感じている。「いろいろ考えすぎて、今までのような感覚で投げられない」と、もどかしさを感じている。
しかし「1つ1つ細かいところまでこだわって」試行錯誤する日々は、夢の実現につながっているはず。「まず基礎から。焦らず、自分のペースで頑張っていきたい」
大沢にとっても四国ILへの挑戦は一大転機だった。高校を出てから週に1度の野球を楽しみに、まじめに働いてきた。2年が過ぎ仕事にも慣れた。チームでも徐々に力を発揮できるようになってきた。主力投手として関東大会4強にも入った。
「自分の野球はどのレベルだろう」。四国ILのトライアウトは、力試しのつもりだった。しかし合格すると、「純粋に野球が好き」という気持ちを抑えられなくなった。周囲の反対を押し切り、四国ILに飛び込んだ。
大沢は今、野球を毎日できる喜び、上達しているという手応えを感じながら、充実の日々を送っている。「野球だけに集中してみたい」と思っていた大沢にとって最高の場所。
だがここで満足しているわけではない。「常に上を目標にすることが、プロにつながっている」のだから。
【写真説明】藤城監督(右後方)が見つめる中、ブルペンで投げ込む野原(右手前)と大沢(左)=四銀グラウンド |