
07年3月17日付・夕刊
胴体着陸2年で5件 全日空に情報なし ボンバルディア機
高知空港で胴体着陸事故を起こしたボンバルディアDHC8―Q400型の同系統機が過去に海外で7件の胴体着陸を起こしていた問題で、ボンバルディア社(本社・カナダ)は17日未明、7件の内容を明らかにした。このうち4件は2005年4月以降に起きており、今回の事故を含めると約2年で5件という極めて高い頻度。一方、国土交通省は過去のこれらの事例を把握しておらず、同機を就航させている全日空の技術部門も情報を全く持っていなかったことも分かった。全日空は「ボンバルディア社から情報提供がなかったようだ」としている。
同シリーズは1985年の就航。過去7件の胴体着陸は87年から今年にかけて発生し、機種は100型5回、Q300型2回だった。事故が起きた場所は中米のカリブ、米国、カナダ、南太平洋、欧州。同社が示した資料には、運航会社や空港名は記されていない。
7件とも前脚が出ない状態で着陸しており、96年に米国で100型機が起こした事故は、主脚も片方だけしか出ていない状態だった。この時の原因は油圧装置の不具合に加え、パイロットが緊急手動操作を怠ったためとしている。
このほかの原因は▽実際には前輪が下りていないのに操縦室の表示板が「下りている」と誤作動した▽前脚緩衝装置や前輪のステアリング部分が不具合を起こした▽前輪格納扉の連結アームに高い負荷がかかって変形した―など。高知空港での事故の要因とみられる前輪格納扉のボルト脱落というケースはない。
同社は、過去7件の事故で負傷者は1人も出ていないと説明。前脚、主脚の全部が機能しなかった胴体着陸は1件もないとしている。
国交省によると、墜落事故以外の海外の事故情報は基本的に把握するシステムになっておらず、トリニダード・トバゴでの胴体着陸事故(05年4月)だけは高知空港での事故後、一部報道で知ったとしている。
ボンバルディア機を大量に就航させている全日空も、ほとんど情報を持っていなかった。トリニダード・トバゴの事例だけは海外の事故情報などを収集する部門がキャッチ。しかしボンバルディア社とDHC8シリーズの技術改善を共同で行っている技術部門には伝えられていなかった。
全日空広報室は「7件というのは聞いていなかった。あらためて驚いている」とし、全日空グループのベテラン機長の1人は「(7件の事故は)初めて知った。日本でこれまでに起きた胴体着陸の件数(過去3件)と比べても、多過ぎる。これらの情報が現場に示されていないことに不信感を持つ」と話している。
【写真説明】胴体着陸で破損した機首部分をすっぽりと白いテントで覆った事故機。テントの中で調査と修理が続いている(17日午前7時ごろ、高知空港)
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