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2006年3月22日付・夕刊

 ボンバルディア機は大丈夫か 全日空に問う(上) 「まだ進化途上」

インタビューに応じる3人。左から宗社長、岡田取締役、黒木リーダー(東京・汐留の全日空本社)

 高知―伊丹線などに就航している全日空ボンバルディアDHC8―400型機(Q400)の機体トラブルがいっこうに収まらない。同社は昨夏、高知新聞社の取材に対し、トラブルは新型機によく見られる「初期故障」と説明したが、就航から2年余りたった今年も、機体トラブルによる欠航が10回、引き返しは8回。利用者の我慢が限界に達しつつある今、あらためて同社に見解と姿勢を求めた。応じたのは岡田圭介・取締役企画室長、黒木英昭・技術部技術企画チームリーダー、運航を担当するエアーニッポンネットワークの宗敏光社長。インタビュー要旨を2回に分けて紹介する。

 ▼メーカーに要請

 ―トラブル続きの現状をどう認識しているか。

 本当にご迷惑をお掛けしている。開発されて6年。わが方で使い始めて2年余り。本来なら改善が進んで不具合が減ってきてほしい段階だが、まだ続いている。安心して利用していただける水準になるのに思いのほか時間がかかっている。

 ―「初期故障」が現在も続いていると?

 航空機は一般的に当初2、3年は初期故障があるといわれる。Q400は世界で100機程度と数が比較的少なく、飛行時間も短い。しかし、飛行機はお客さまの命を預かっている。初期故障は仕方ない、と言うつもりは全くない。初期故障とか、その段階を過ぎているとかではなく、今生じている一つ一つの事象に適切に対応していきたい。過去に使ってきたジェット機にも当初不具合が多い機体があったが、使いながら改善し、いい飛行機にしてきた。

 ―ほかの機種の初期段階よりトラブルが多いのではないか。

 引き返しにつながるような不具合が正直多い。私どももこれを重視している。引き返しは飛行を継続せずに戻ってくるので「安全」なのだろうが、そういうレベルで安全を議論しているのではないんだとボンバルディア社に申し入れている。

 ―ここまで続く原因をどう考えているか。

 Q400はいわば進化のさなか。ボーイングなどの大型ジェットは多くの大手航空会社が使い、問題点もしっかりメーカーに指摘するので改善も進んでいる。ところが、Q400は全日空が一番の大手。ほかの小さな航空会社は改善要望をしっかり投げないから進化が遅いのではないか。世界の主要な航空会社が使っていればもっと早く磨きがかかったかもしれない。

 ▼ものにしたい

駐機中のボンバルディアDHC8―400型機。車輪を収納できなくなるトラブルも続発した(大阪・伊丹空港)

 ―全日空が導入したQ400の一号機は、車輪の油圧系に空気が混入してしまう製造ミスが判明している。そもそも安全な飛行機なのか。

 安全に万全はない。引き返しは事が起こらないうちに戻るのだから問題ないと居直れば安全だが、その上に「安心」という言葉も重ねた安全は全く担保できない。ただ、狭義に安全かと問われれば、飛行機の設計や製造過程を評価した(国からの)証明も下りているし、想定される不具合にも対応策が講じられた安全な飛行機だ。

 ―ボンバルディア社の技術力は?

 技術の立場からボーイング、エアバス、ボンバルディアすべて見ているが、しっかりした技術陣もいるし、製造ラインも他社と遜色(そんしょく)ない。

 ―Q400を導入して正解だったと今でも評価しているか。

 伊丹空港のジェット機枠が削減されたことからも、プロペラ機をうまく活用したい。プロペラ機は昔に比べ巡航性能や客室内の環境も良くなっており、近距離路線には絶対必要。Q400もぜひものにしたい機材だ。マクロの判断で選択を間違えたとは思っていない。

 【写真説明】インタビューに応じる3人。左から宗社長、岡田取締役、黒木リーダー(東京・汐留の全日空本社)

 【写真説明】駐機中のボンバルディアDHC8―400型機。車輪を収納できなくなるトラブルも続発した(大阪・伊丹空港)

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