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朝青龍最後に貫録
2場所ぶりに優勝した朝青龍は安定感は相変わらずだが、最大の持ち味である闘志を前面に出した取り口が少なくなった。最後は貫録を見せたものの、11日目に敗れた白鵬との差は着実に縮まっている。1人横綱を維持するのはこれまで以上のけいこ量が必要だろう。
初優勝には届かなかったが、白鵬は鋭い踏み込みから右四つで左上手を引く攻めがさえ、文句なしの大関昇進。近い将来の横綱昇進さえ予感させる。栃東は3敗を喫した後に持ち直して綱とりの夢をつないだ。来場所の課題はいかに取りこぼしを防ぐかだろう。
大関2場所目の琴欧州は場所前の右ひざのけがを乗り越えて9勝。けがに強いところを示したのが収穫だ。ワースト記録の9度目のかど番で、進退問題の浮上した魁皇は、中盤以降見違えるような動きが増え、辛くも千秋楽で勝ち越した。力士生命のピンチはひとまず脱したが、十分にけいこを積んで場所に臨まないと今後も苦戦が続くだろう。同じかど番の千代大海も勝ち越し、夏場所は10場所ぶりにかど番のいない場所となる。
十両で全勝優勝した把瑠都は、スケールが大きく豊かな将来性を感じさせる。来場所は幕内で活躍しそうだ。三賞受賞力士は3人ともモンゴル勢。日本人力士の奮起が一層求められる。(共同)
【県勢総評】
相星で並走していた朝青龍と白鵬が千秋楽はともに負けての優勝決定戦となった。朝青龍のずぬけた強さだけが目立った昨年とは、違った展開になっている。
それでも朝青龍は優勝を2場所続けて、手放すことはなかった。千秋楽、立ち合いで後手に回り栃東に寄り切られたのは意外だったが、場所を通して持ち味のスピードだけでなく、余裕を持ち最後まで慎重に攻めた。
若手の猛追に加え栃東の復調と、燃える材料は出てきた。来場所以降の負けない相撲に注目したい。
琴光喜は7日目までに6勝と好調だったが、後半戦崩れて8勝7敗に終わった。朝青龍には速い相撲にほんろうされ、白鵬には得意の左上手を簡単に許して投げられた。魁皇戦も一方的に攻められた。
横綱、大関とは現状ではっきりと力の差が出た。得意の右四つで勝てない相撲もあった。もう一度上を目指すには、得意の型を磨き直すことも必要かもしれない。
琴奨菊は出島戦は立ち合いで迷い、変化で墓穴を掘った。しかし、その後は真っ向勝負に戻り、ベテラン栃乃洋に得意の投げを許さず十分で寄り切るなど、充実した相撲内容だった。9勝6敗は立派。来場所、自己最高位に近い番付に上がりそうで、大事な場所となる。
朝赤龍は10勝と久々に存在感を示した。場所前、朝青龍と白鵬に胸を借り、けいこを積んだ成果が出た。積極的に攻めた高見盛戦など、勢いが感じられたが、半面勝負を焦って攻め急いだ黒星があったあたりは反省材料。番付の上がる来場所は、思い切って上位陣に挑戦してほしい。
豊ノ島は序盤からひざの痛みがあり、星が上がらなかった。場所前のけいこも十分でなく、我慢の土俵で6勝。終盤、痛みが和らぎ、出島戦で見せたもろ差しからの速攻のように、実力の片りんは見せた。まずはけがを治したい。
土佐ノ海は9勝して、1場所での返り入幕が濃厚。ここ数場所は右四つ左上手の相撲が目立っていたが、今場所は押しに徹した。相手なりに、組むか離れて押すかの使い分けが、再び上位に戻るためのポイントになりそうだ。(大阪支社・土居)
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