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 高知 センバツ手中に

 四国秋季高校野球第3日は3日、香川県のオリーブスタジアムで再開。準決勝2試合を行い、高知(本県1位)が室戸(同3位)を八回コールドの7―0で下して来春のセンバツ出場をほぼ確実にした。1位校同士の今治西(愛媛1位)―徳島商(徳島1位)は、今治西が13―0で七回コールド勝ちした。

 県勢対決の一戦は高知が初回、二死一、二塁から森田の中越え二塁打で1点を先制。四回には大菊の右中間三塁打などで4点を追加した。エース国尾は室戸打線を被安打2の無失点に抑えた。

 今治西は初回3四球を得て、1安打で2点を先制。その後も毎回出塁で七回までに13安打。一方的な展開に持ち込んだ。

 高知の決勝進出は12年ぶり8回目、今治西は7年ぶり4回目。12年前も対戦し、今治西が勝っている。

 最終日の4日は正午から高知―今治西の決勝を行う。

 室戸に8回コールド 国尾 2安打零封

【高知―室戸】1回表高知2死一、二塁、森田が先制タイムリーを放つ(オリーブスタジアム)
▽準決勝
高知 100 400 02
室戸 000 000 00

 【評】高知が投打に室戸を圧倒した八回コールド勝ち。

 エース国尾は、八回まで中山に許したヒット2本だけ。8奪三振、無四球のほぼ完ぺきな内容だった。制球力が抜群で低めに球を集めた上に、ストレートの力、変化球の切れも良く付け入るすきを与えなかった。

 打線は1点リードの四回に集中力を見せた。2番手中山の代わりばなをとらえ、四球と2安打の一死満塁から国尾の右犠飛で1点。さらに四球を挟んで1番大菊が走者一掃の右中間三塁打を放った。大菊は3安打3打点で2度ホームを踏む活躍だった。

 室戸は先発森沢を三回で降ろす継投策が裏目。五回の一死一、二塁は中山が、六回の一死満塁は再登板の森沢がしのいだだけに、痛い4失点となった。(西村博文)

 【写真説明】【高知―室戸】1回表高知2死一、二塁、森田が先制タイムリーを放つ(オリーブスタジアム)

 室戸 “奇襲”継投実らず

6回表、ピンチに再登板した森沢(右から2人目)のところに集まる室戸内野陣(オリーブスタジアム)

 四回表、室戸の選手交代を告げるアナウンスに高知ベンチだけでなく、球場全体が驚いた。絶対のエース森沢を降板させ、県予選を通じても初登板となるライト中山がマウンドに向かった。

 「森沢だけでは九回もたない。勝つとしたら奇襲しかない」。横川監督は言い切った。

 これまで高知とは新人戦、秋季県予選で対戦。ともに頼みの森沢が打たれて負けた。特に新人戦は三回までリードしながら中盤、森沢がつかまった。総合力は高知が上。それならば―。

 中山は公式戦の登板経験こそないが、「スライダーの切れがいい」(横川監督)。目先を変えて3イニングス粘り、七回から再び球威のある森沢が登板する。そんなシナリオを描いた。甲子園をつかむための結論だった。

 その代わりはな、中山は細かな制球力を欠き、試合の流れを決定づける4点を失った。チャンスを広げた右前打の森田、走者一掃三塁打の大菊はともに、「球の速い森沢の方が嫌だった」と口をそろえる皮肉な結果となった。

 しかし、ナインは「悔いはない」。実はこの投手リレーは前日、森沢が横川監督に切り出し決めたものだという。森沢は「(高知打線はタイミングを)合わせてくるので、勝つにはサイド系の中山のかわす力が必要と思った」。

 センバツ出場を手にするなら準決勝のコールド負けはつらい。もちろん、作戦に当然、怖さが伴うことをベンチは承知していた。それでも、横川監督は「生徒自ら考えてきたことが大きい」。

 結果はコールド負けだが、“勝ちにいく”野球を貫いた。勝ち負け以上の財産になったと思える日がきっと来るはずだ。(西村博文)

 【写真説明】6回表、ピンチに再登板した森沢(右から2人目)のところに集まる室戸内野陣(オリーブスタジアム)

 高知国尾 クレバーな75球

 「国尾に尽きると思う。国尾さまさまです。すべて良かった」。高知の島田監督は、いくつもの修飾語を付けてエースの好投を持ち上げた。

 確かに良かった。わずか2安打だが、それを許したことさえ悔やまれるような完ぺきな内容だった。鋭いスライダーに室戸打者のバットが空を切る。内角にズドンと速球が決まる。ネット裏では各県の高校野球関係者から「甲子園でも活躍できるのでは」と気の早い話も出ていた。

 この試合、室戸打線が早いカウントから打って出たこともあるが、八回までに75球。ボール球は20球しかなかった。テンポ良くストライクを投げ込んでゲームセット。「今までで一番良かった」と振り返った。

 ナイスピッチングの訳は「打たせて取ることを考えている」からという。昨年までは力で抑え込もうとしていた。むきになって速球を投げ込み、痛打されたこともあった。その反省を生かしているのはもちろんだが、続けた言葉が憎い。「打たせた方が守りのリズムが生まれるし、球数も少なくてすみますから」。無四球で済ませ、クレバーな投球に徹したわけだ。

 初戦の丸亀城西戦も被安打3。2試合で許したヒットは5本で、四球も1個。「大きな試合では『これを勝ったら』とかいらないことを考え、自分の力を出し切れないことがある」(島田監督)ものだが、そんな心配は、この日の国尾には無用だった。

 決勝の相手は、夏の甲子園の経験者5人が並ぶ今治西。今大会も2試合で25安打を放っている。気が早いかもしれないが、センバツの戦いを占う一戦になる。(西村博文)

(2006年11月4日付・朝刊)


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