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 県勢センバツ確定的 高知と室戸が準決勝で対決へ

【高松一―室戸】9回表室戸1死三塁、中山が左前適時打を放ち勝ち越す。投手森安、捕手岩田(オリーブスタジアム)  四国秋季高校野球第2日は29日、香川県のオリーブスタジアムで準々決勝4試合を行い、県1位の高知は丸亀城西(香川3位)に9―2で七回コールド勝 ち、県3位の室戸も高松一(同1位)に5―4で競り勝って、準決勝進出を決めた。両校は準決勝で対戦することから、県勢の来春センバツ出場が確定的となっ た。高知は5年ぶり、室戸は初の4強。県勢が2チーム準決勝に進んだのは5年ぶり。大会が3校代表制になってからは初。

 高知は四回、片岡、大菊の連続適時打で3点、七回は植木の2点本塁打などで3点と着々加点、エース国尾は3安打2失点に丸亀城西打線を抑えた。高松一― 室戸は1点を争う接戦。同点の九回、室戸は中山が決勝適時打を放ち、先発森沢は粘りの投球でしのいだ。県勢県立校の準決勝進出は1984年の伊野商以来 22年ぶり。

 徳島商(徳島1位)は継投策が決まり川之江(愛媛3位)に3―1、今治西(同1位)は香川西(香川2位)を九回逆転で6―2と下して、ともに4年ぶりの4強入り。

 第3日は11月3日、同スタジアムで準決勝2試合を行う。

 【写真説明】【高松一―室戸】9回表室戸1死三塁、中山が左前適時打を放ち勝ち越す。投手森安、捕手岩田(オリーブスタジアム)

 室戸高松一に競り勝つ 9回中山が決勝打

▽準々決勝

室戸101 100 101
高松一101 110 000

 【評】終盤の攻防を制した室戸が高松一に競り勝った。

 4―4の八回、まず守りでみせた。先頭打者を安打で許したものの、送りバントをマウンドの森沢が好フィールディングで二塁封殺。二死一、二塁とピンチは続いたが、それまで3安打2打点の3番横井をしっかり打ち取った。

 守りでリズムをつくれば、攻めもさえる。九回は1番泉が右中間二塁打。松本の送りバントで一死三塁と圧力をかけ、中山のタイムリーにつなげた。ヒット数で大きく劣ったが、前半の相手5失策をすべて得点に結びつけたのが最後に効いた。

 森沢は被安打13。毎回のように走者を背負ったが、1イニング2点以上を許さず、踏ん張りどころの六、七回を三者凡退でしのいだのも大きかった。(西村博文)

 耐えて勝利呼び込む 室戸ナイン「成長した」

 高松一が放った最後の打球が転がると、ネット裏は時間がゆっくり流れるような感覚になった。室戸の二塁松本はしっかりさばき、一塁田中のグラブにストライク。ナインの雄たけびとスタンドの歓声が一瞬の静寂を打ち破った。

 苦しい試合だった。エース森沢の球は簡単にはじき返された。長短13安打を六、七回を除く毎回放たれた。「毎回失点でもおかしくなかった。よく耐えた」。横川監督は勝利をかみしめた。

 打線はチャンスを得ても、あと一本が出ない。それならば、守る。三回の二死満塁、五回は二死二、三塁。ともに1点を失った後も続いたピンチを切り抜けた。苦しくても、「失点は1点で我慢する」(中山主将)ポリシー通りの試合を貫いた。

 八回二死一、二塁の守り。迎える打者は2本のタイムリーを含む3安打の3番横井。ピンチのはずだが、森沢は「楽しかった」。主将の中山も「焦らなかった」という。3球目をピッチャーゴロで仕留めた。

 さあ、次は攻め。九回、「森沢を助けたい」泉が二塁打を放つと、2番松本は「自分の役割は『つなぐ』こと」。きっちりバントを決めた。おぜん立てをしてもらい、3番中山が勝ち越し左前打で主軸の役割を果たした。

 過疎に苦しむ県内最東部の県立校。横川監督は「どうしても『ここまでで満足』という気持ちが選手の中にあった」と、これまでを振り返ったが、ナインはギリギリの場面で練習通りのプレーをした。横川監督の「成長した」の一言に、すべての思いが込められていた。(西村博文)

 高知、丸亀城西に快勝 7回コールド 右腕国尾被安打3

▽準々決勝

高知100 320 3
丸亀城西000 200 0

(七回コールド)

 【評】高知はエース国尾が、1回戦4本塁打の丸亀城西打線を3安打に抑えた。打線も犠飛を含む5犠打を絡めて確実に加点、七回コールドの快勝だった。

 国尾は3種類の変化球と直球を織り交ぜ、テンポの良い投球。前半は速球、後半はスライダーを軸に打たせて取った。四回に5番新免に2点本塁打を浴びたが、失投はこの1球だけ。安定感があった。

 打線は丸亀の先発石川の変化球に手こずったが、1点リードの四回二死一、二塁から片岡、大菊の連打で3点。2点差にされた直後の五回は2四球を足場に、 筒井の犠飛と植木の右前打の2点で突き放した。七回も植木の2点本塁打などで追加点を挙げたが、9得点のうち5点は四球の走者。もらったチャンスをしっか り生かした。(横田宰成)

 クールにしたたかに 高知「いい野球できた」

【高知―丸亀城西】7回表高知1死一塁、植木(右から2人目)が2点本塁打を放ち、筒井(5)とハイタッチ。捕手塩入=オリーブスタジアム)  高知は完勝といっていいだろう。壮絶な打ち合いを制して、勝ち上がってきた丸亀城西を七回コールド、9―2で退けた結果以上に、勝ち方がいい。島田監督は「きちっとしたことができた。すごくいい野球ができた」。初戦突破に合格点をつけた。

 7番植木が七回にコールドを決める本塁打を放ったが、それまで会心の当たりは少なかった。奪った6安打の中に内野安打2本が含まれる。チーム打率4割超でも、やはり打線は水もの。

 丸亀の2投手ともアウトコースへ丁寧に球を集め、橋野監督が「制球は良かったし、悪くはなかった」と評価、島田監督も「なかなか点は取れないと感じた」出来なら、気持ちよくバットを振り回せない。それなら、どう点を取るか。そこでチーム力が試されるというものだ。

 まずは初回の攻め。四球、送りバント、四球の二死一、三塁から一塁走者の矢野が盗塁。捕手からの送球を野手がこぼす間に、三塁から大菊がホームを陥れた。無安打の先制だった。五回にも2四球の走者を送りバントと犠牲フライで加点し、3点差をつけた。

 ヒットは結局7本。期待の中軸は相手のマークもあり、内野安打2本だったが、3四球を選んだ。筒井、植木、片岡の6、7、9番で計5打点。

 得た8四死球のうち5人をホームに迎え入れた。バットが快音を発しないのなら、相手ミスを生かせばよい。2失策、暴投、ボークはすべて得点に絡めた。クールにやるべきことをやるしたたかさ、強さが今年の高知にはある。(西村博文)

 【写真説明】【高知―丸亀城西】7回表高知1死一塁、植木(右から2人目)が2点本塁打を放ち、筒井(5)とハイタッチ。捕手塩入=オリーブスタジアム)

 四国高校野球で室戸4強 甲子園へまた一歩

準決勝進出を決め、抱き合って喜ぶ室戸高の応援団(オリーブスタジアム影)  すごいぞ!「室高」――。高松市のオリーブスタジアムで29日行われた第59回秋季四国地区高校野球大会の準々決勝で、室戸高が高松一高(香川1位)を 5―4で下し、今大会2勝目を挙げた。県立校では伊野商高以来22年ぶりのベスト4。甲子園への階段をまた一つ上がった「室高」に、スタンドの応援団も 涙、涙で喜びを分かち合った。(横田宰成)

 室戸高は昨年、野球部創部55年目で四国大会初出場を果たした。10年前に発足した育成会の支援もあり、地道なチームづくりを実らせ、センバツの21世 紀枠四国候補にも選ばれた。2年連続出場の今回、前日の1回戦で池田高(徳島2位)を下し初勝利を挙げただけに、この日も生徒や保護者、育成会員ら約 250人が応援に乗り込んだ。

 毎回のように得点圏に走者を許す相手ペースをしのぎ、九回、中山大輔主将のタイムリーで勝ち越し三塁側スタンドの盛り上がりは最高潮に。エースの森沢祐太投手が最後の打者を内野ゴロに打ち取ると、一気に歓声が上がった。

 22年前の伊野商高はセンバツ初出場初優勝。“縁起”の良い県勢で、21世紀枠四国候補に選ばれる可能性もあるが、中山主将の父、能尊さん(52)=土佐市=は「(甲子園は)自力で勝ち取るくらいの気概で」と11月3日の高知高との準決勝に向けねじを巻いた。

 【写真説明】準決勝進出を決め、抱き合って喜ぶ室戸高の応援団(オリーブスタジアム影)

(2006年10月30日付・朝刊)


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