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 室戸 悲願の四国1勝

【池田―室戸】4回裏、1死一、三塁から森沢の右前打で6―1とリードを広げる(オリーブスタジアム)

 四国秋季高校野球第1日は28日、香川県のオリーブスタジアムで1回戦4試合を行い、県3位代表の室戸は池田(徳島2位)を11―1の六回コールドで下し、悲願の四国初勝利を手にした。県2位明徳義塾は川之江(愛媛3位)に3―8で敗れた。

 初回1点を失った室戸だが、その裏すかさず反撃。泉、森沢の連打で同点とし、三回には森沢の2点打の後、小松の適時打、小谷のスクイズで計4点。4安打4打点の森沢は投げても六回まで9奪三振、3安打に抑えた。県勢の県立校の勝利は2002年の高知東以来。

 明徳義塾は五回までに2投手が11安打を浴びて0―6。五回に南野の二塁打で1点、七回には2安打と相手失策で2点を返したが、届かなかった。明徳の初戦敗退は2年ぶり3度目。

 新田(愛媛2位)―丸亀城西(香川3位)は、丸亀城西が打撃戦を15―12で制し、香川西(香川2位)―阿波(徳島3位)は、香川西が6―4で競り勝ち、準々決勝に駒を進めた。

 第2日は29日、同スタジアムで別表の準々決勝4試合を行い、ベスト4がでそろう。県1位の高知は第1試合で丸亀城西と対戦。室戸は第2試合で高松一(香川1位)と2勝目を懸けて戦う。

 池田圧倒 森沢投打に活躍

▽1回戦
池 田 100 000
室 戸 104 303x 11
(六回コールド)

 【評】室戸は池田投手陣を打ち込み、長短13安打で11点。2年越しの四国1勝を六回コールドで収めた。

 エース森沢の粘り強いピッチングが光った。森沢は初回、1、2番の三塁打と犠飛で早々1点を失い、3番南に二塁打。4番打者にもノースリーと苦しんだが、ピッチャーゴロ、三振で2点目を許さなかったのが大きかった。二回以降は5四死球はあったが、六回まで8奪三振。二―五回を無安打に抑えた。

 森沢は打っても4安打4打点と打線を引っ張った。一回は二塁打の泉を右前打でかえし同点にすると、三回には勝ち越しの2点適時打。この回の4点目となった小谷のスクイズをはじめ、県予選で失敗が多かったバントも5回すべて成功させるなど、そつなく攻めた。(西村博文)

 【写真説明】【池田―室戸】4回裏、1死一、三塁から森沢の右前打で6―1とリードを広げる(オリーブスタジアム)

 室戸 攻守に成長の証し

 悲願の「四国1勝」を告げるサイレンが球場に鳴り響いた。コールド負けから1年。たくましく戻ってきた室戸ナインはスタンドの大応援団に胸を張って勝利報告した。

 エースの力投に打線も11点で応えた結果の六回コールド勝ちだが、決して楽な勝利ではない。立ち上がりが課題の森沢は一回、12球で失点した。三塁打と犠飛で先制を許し、3番南に二塁打。続く4番岡田はスリーボール。エースは、四死球と連打で崩れた昨年を思い出したという。

 しかし、ここからが違った。「カッとなって」速球一辺倒になり、ズルズルと大量失点したパターンをナイン全員で振り払った。「腕を振り切れ」と竹村捕手。ライトの中山主将も「打たせろ」。バックの声に励まされ、2点目を許さなかった。二、三回で計4四死球と、まだふらついたが、速球狙いの池田打線の裏をかくスライダー勝負の冷静さがエースの成長の跡だ。

 打線も素早く反撃した。一回は二死無走者から泉、森沢の長短打で同点。三回は森沢の2点打の後の一死一、三塁の攻めが振るっていた。「外野が深い」と見た一塁塁上の竹村が小松の右前打で一気に三塁を陥れ、続く小谷がしっかりスクイズ。取りに行って取ったこの回の4点目がチームの成長の証しだ。

 ナインを大きくしたのは、昨年の悔しさだけではない。3強の一角を3位決定戦で崩した自信に加えて、発足以来10年にわたりチームを支えてくれた育成会に恩返ししたい気持ちを、パワーに変えた。

 待ちに待った1勝だが、むろん、これで終わるつもりはない。「1位校(高松一)に勝って、地方の県立校でもやれることを証明したい」。室戸は、まだまだ走り続ける。(横田宰成)

 明徳 川之江に力負け 投手踏ん張れず8失点

【明徳義塾―川之江】5回表、川之江に4点目を許し、なお2死一、二塁のピンチでマウンドに集まった明徳ナイン(オリーブスタジアム)

▽1回戦
川之江 001 231 010
明 徳 000 010 200

 【評】明徳義塾投手陣が踏ん張りきれなかった。中盤、川之江打線に小刻みな7失点。打線も二回を除く毎回走者ながら、2度のけん制死などで流れをつかめなかった。

 先発谷口は三回、三塁打と犠飛で先制を許すと、四回は2つの送りバントを挟んだ長短3連打の2失点。ストライクを取りにいった高めの球を狙い打たれた。四回途中から登板した南野も五、六回に計4失点。勢いづいた打線を止められなかった。

 打線は川之江の白川の緩急をつけた投球と適度に荒れる球をとらえきれずフライアウト15。五回、南野の左中間二塁打で1点。七回は2失策を得て2点を返したが、上位が2併殺。四、六回は無死の走者がけん制で倒れた後、ヒットなどで走者を出すちぐはぐが目立った。(横田宰成)

 【写真説明】【明徳義塾―川之江】5回表、川之江に4点目を許し、なお2死一、二塁のピンチでマウンドに集まった明徳ナイン(オリーブスタジアム)

 明徳 「一からやり直し」

 糸を引くような川之江打線の打球が何度、外野手の頭上を越えたことか。奥深く転がった打球を追う明徳ナインの背中を何度も何度も見た。

 踏ん張ってほしい投手陣が力負けし、打線もつながらない。馬淵監督は「見ての通りです。チーム力がないんですよ」。淡々とした表情を浮かべるしかなかった。

 愛媛県予選のビデオで川之江を研究した。“当ててくる”打者が多いように感じたという。だから、バッテリーは「インコースを突けば打たれない」と考えた。しかし、その計算はあっさり崩れる。

 初回二死二塁から4番打者にインコースのストレートをジャストミートされた。右翼手の正面で失点は免れたが、馬淵監督は「嫌な予感がした」。二回、7番の左前打、8番の中飛とも、甘く入る内角直球を振り抜かれた。

 0―0の三回の守り。先頭の9番打者に外角の真っすぐを完ぺきにたたかれて右中間三塁打。1番の犠牲フライは、7球粘られた末に甘くなったインコースの直球をセンターに運ばれた。

 先発谷口は県予選決勝と比べても調子は悪くはなかったという。しかし、捕手伊藤は「どこに何を投げてもしんでとらえられて、何を投げていいのか分からなくなった」。

 馬淵監督にとって、監督復帰後初めての県外チームとの公式戦だった。「(準決勝の)今治西戦が勝負と思っていた」と青写真を描いていたことを打ち明けたが、攻めてもけん制死が2度、ボール球に手を出しての凡退と、そつのないはずの攻撃がほころんだ。試合後、ベンチ裏でのミーティングで馬淵監督は努めて穏やかな表情で選手に語り掛けた。「負けは負け。一からやり直しや」(西村博文)

(2006年10月29日付・朝刊)


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