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 高知商 フリー打撃 筒井柵越え連発

4番筒井が柵越えを連発した高知商のフリー打撃(西宮市の津門中央公園野球場)

 甲子園の高知商ナインは10日、西宮市の津門中央公園野球場で割り当て練習を行い、午後1時から約2時間汗を流した。

 フリー打撃では、甲子園1回戦でバックスクリーン右へ本塁打を放っている4番筒井が好調。両翼91メートルのフェンスを軽く越える打球連発に、西原監督も「次も安心して試合に臨める」。そのほか松岡、溝渕ら中軸を中心に、全体的にいい当たりが出ている。

 その分、「打撃をいい感じで終わるのはいいが、振り回しすぎないように気を付けないと」と西原監督は、気の緩みを心配している。選手には最後の1球でしっかりとバントを決めさせ、引き締めた。

 ノックは約20分、活気にあふれていた。先発が予想される中平や小松ら4人の投手陣は捕手を座らせ、変化球を交えて50球前後を投げ込んだ。

 鹿児島工の県大会のビデオがこの日も届かず、1回戦と同じく試合前夜に初めて見ることになりそうだが、選手らは「仕方ありませんね」と気には留めていない。1回戦で14安打を放ったことが、自信につながっている。(山崎道生)

 【写真説明】4番筒井が柵越えを連発した高知商のフリー打撃(西宮市の津門中央公園野球場)

 参謀役で存在感 野村武司(内野手・3年)

4番筒井が柵越えを連発した高知商のフリー打撃(西宮市の津門中央公園野球場)

 170センチ、60キロ。野村は体格的に、がっちりしたタイプではない。西原監督は「『声』と『心』で県大会の背番号を与えた」と評価する。ほかの部員にはない野球の知識、判断力は、十分な存在感を示している。

 ポジションは二塁手の控え。6月から三塁のコーチスボックスに立っている。三塁コーチャーは、相手野手の肩や味方ランナーの走力を瞬時に判断し、二塁から本塁へ向かう走者に「ゴー」「ストップ」の指示を出す。接戦では判断ミスが命取りになることもあり、誰でも簡単に務められるものではない。

 小高坂小1年生で、野球を始めた。「部員が少なかったから」、1年生ですぐ二塁手のレギュラー。小学校ではすべての守備位置を経験した。城北中に進み投手、三塁手、遊撃手といろんなポジションを経験。野球の知識が豊富で、西原監督は「ベンチで相手投手の癖をよく読んでくれて、みんなに的確に伝えてくれるんです」と、質の高い「声」に信頼を置く。

 それでも甲子園メンバーからは漏れた。人数を絞り込まなければならず、首脳陣にとって苦渋の決断だった。当然悔しさは大きかったが、同じく県大会メンバーから落選した岡崎捕手とともに気持ちを切り替え、チームにどう貢献するかを考えている。

 主将の石川は「タケシから『バットのヘッドが下がっているぞ』などと、よくアドバイスをもらう」と話す。

 同じポジションを争うライバルだが、細かい点を事あるごとに指摘してくれる。「互いに高めあおうとする姿勢には頭が下がります」。誰もが認める「野球好き」には、チームのことを一生懸命に考える大切な「心」が備わっている。

 「最後まで勝ってほしい」。たとえアルプススタンドからメガホンで送る声は大歓声に紛れたとしても、「心の声」はきっとナインに伝わっている。(山崎道生)

 【写真説明】白樺学園との1回戦でアルプススタンドから応援する野村(甲子園球場)

(2006年8月11日付・朝刊)


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