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延長投手戦宿毛が制す

 第88回全国高校野球選手権県大会第2日は16日、春野、高知両球場で1回戦7試合を行い、昨夏の無効となった決勝の再現となった明徳義塾―高知は、ノーシードの明徳が7―2で第2シード高知を下した。

 明徳と高知が夏に1回戦で対戦するのは初めて。明徳は夏の県大会通算100勝目を達成した。高知の夏初戦敗退は2000年2回戦の土佐戦以来6年ぶり。

 宿毛―高知中央は投手戦。両チームの投手が好投したが、延長11回、宿毛が2―1で競り勝ち、連年の初戦突破を果たした。高知西は4回に一挙9点を奪い、10―1で須崎に7回コールド勝ちした。

 岡豊は4番入野のサヨナラツーランで高知東に6―4で勝った。高知東は4年ぶりの初戦敗退。高知東工は6回に6連打で4点を挙げ、7―2で高岡を振り切った。

 西土佐と対戦した小津は、14安打に13四球を得て21―4で5回コールド勝ち。高知工も大月に12―1で5回コールド勝ちした。高知工の片岡一道投手は5回に1イニング4奪三振を記録した。

 第3日は17日、春野、高知両球場で1回戦4試合と2回戦2試合を行う。

延長投手戦宿毛が制す 高知中央11回力尽きる
▽1回戦
宿毛 000 000 100 01
高知中央 010 000 000 00
(延長11回)
【宿毛―高知中央】11回裏中央2死二塁、左前打で二塁走者大谷が本塁を狙うが、左翼松浦の好返球に刺されゲームセット。捕手亀井利(高知球場)

 【評】宿毛、高知中央とも再三のピンチをしのぎ、投手戦は延長入り。十一回に勝ち越した宿毛が、最後は本塁刺殺で締めた。

 宿毛はエース二神が六回途中まで1失点。リリーフの1年生山本も3安打無失点の好投で流れを引き寄せた。七回に内野ゴロで追いついた打線は十一回、ヒット、犠打の二死二塁で3番松浦が決勝の中前打。バックも無失策で投手陣を支えた。

 中央は七回二死満塁など得点圏に7度走者を進めたが、二回以外は無得点。ともに無四球1失点で踏ん張った嶋津、森本の両右腕に報えなかった。(横田宰成)

 【写真説明】【宿毛―高知中央】11回裏中央2死二塁、左前打で二塁走者大谷が本塁を狙うが、左翼松浦の好返球に刺されゲームセット。捕手亀井利(高知球場)

 これしかない展開

 春季大会4強の高知中央に延長で競り勝った宿毛の横山監督は「うちが勝つとしたらこれしかないという展開」と笑顔。

 七回一死三塁。5番亀井利は「低めは上げてしまうので高めの直球をたたきつける」(横山監督)練習通りの内野ゴロで同点。十一回、3番松浦の適時打で勝ち越しだが、二塁走者刈谷祐が際どいタイミングながらうまく回り込んでセーフ。次打者沖本の的確な指示もあった。

 3年生は沖本1人。これからのチームだが、横山監督は「細かな部分まで鍛えてきた成果を出してくれた」と満足そうだった。(山崎道生)

 

岡豊・入野サヨナラ弾 東2度同点の粘り届かず

▽1回戦
高知東 001 011 001
岡豊 003 000 102X

 【評】九回裏、岡豊は4番入野の2点本塁打で、粘る高知東にサヨナラ勝ちした。

 岡豊は1点を追う三回、五百蔵の安打と連続四球の無死満塁。清岡の適時打を挟んで入野、江口の連続犠飛で逆転した。4―4の九回にひと振りで試合を終わらせた入野は投げても9奪三振。変化球と速球の組み立てで、1イニング複数失点を許さなかった。

 東は1点を追う九回の古泉の同点二塁打など5本の長打は光った。しかし、三、五、七回の送りバント失敗や九回の走塁ミスなど攻めの詰めがもうひとつ。追い越すところまではいかなかった。(青木一英)

 「楽させぬ」岡豊流

 岡豊は4番入野の派手なサヨナラ本塁打で10年連続の初戦突破を果たした。しかし山中監督は「負け試合」。失点4のうち3点は失策や死球の走者を長打でかえされたのが気に入らない。4失策の上に、攻めでも先制機をサインミスで逸している。それでも勝った。なぜ「負け試合」を拾えたのか。答えは簡単。相手の弱点を突いたからだ。言われてみれば当たり前。だが実行は簡単でない。

 高知東は先発豊永が本調子ではなく、制球が安定していなかった。三回、先頭五百蔵が中前打。続く川田、野口はともにバントの構えで揺さぶった末の連続四球。この時のサインはストライクバントだが、「初球は見逃して、2球目狙い」。ツーボールになり後の見極めは楽だった。

 無死満塁とチャンスを広げ、4番入野の右犠飛。なおも一死二、三塁で5番清岡へのサインは「打て」。しかし、手前の“布石”が効いてくる。「何かやってくる脅威は感じた」(高知東・橋田監督)バッテリーはカウント1―1の3球目を大きく外した。ボール先行で打者優位の状況をつくった後の2点目のタイムリーだった。

 六回に同点にされたが、四回途中から登板の高知東・横田は公式戦初登板。疲れの出る終盤を待ち、七、九回の計3点につなげた。

 普段から岡豊ナインは「相手投手に楽をさせない」意識が強いという。「うちは打線は強くない。小細工をしないと」と山中監督。相手の力を抑える。地味だがジワリ効いてくる、これがことしの“岡豊流”かもしれない。(森本敦士)

 

高知西4回一挙9点 6犠打で須崎投手陣攻略

▽1回戦
高知西 000 900 1 10
須崎 010 000 0
(七回コールド)

 【評】高知西が四回に一挙9点。手堅い犠打に失策、四球が絡んだことで、ビッグイニングをものにできた。

 この回、四球の尾下誠を進める木村のバントが失策を誘い無死一、二塁。続く東岡も犠打を成功させ、四球で満塁とした後、8番高橋が逆転の2点右前打。なおも2四球を得て、中村の走者一掃三塁打、木村のセーフティーバントなど打者13人の自在の攻めだった。点にならなかったが、一―三回もバントを決めるなど計6犠打を記録した。

 須崎は二回、市川、梶原の連打などで1点を先制、五回を除く毎回走者を出すものの、西の左腕池田をとらえきれなかった。(土橋宏史)

 望外の大量点

 高知西は犠打で得点圏に走者を進める「コツコツ野球」がチームカラー。それだけに四回のビッグイニングに高橋監督は「練習試合でもない。絶対取れない9点」。

 しかし、その攻め味は西そのもの。四球の走者を送ったバントが失策を誘い、もう一度仕掛けたバントで一死二、三塁。浮き足立った須崎バッテリーの4四球が絡まった。

 もう一つの西カラーは「普段から自分で考える野球」。前打席の配球から初球を予想し3点三塁打した2番中村や、5番木村の二死からの打点付きセーフティーバントなど「狙いが自分で説明できる」攻めに高橋監督の機嫌は良かった。(土橋宏史)

 

高知工足絡め12点 大月守りのミス響く

▽1回戦
高知工 104 16 12
大月 010 00
(五回コールド)

 【評】高知工は11安打で12点。足を効果的に絡め、大月を五回コールドで下した。

 高知工のヒットはすべて単打だが、好機を広げる6盗塁。西森、貝川、田中らの適時打につなげた。また四回は、二塁走者井上が右飛で三塁を陥れるなど次の塁を狙う姿勢が光り、大月守備陣をかき回した。先発片岡は直球と外角の変化球のコンビネーションがよく、5回を2安打1失点に抑えた。

 大月は二回、失策の走者を坂本純がバントで送った二死二塁から小橋の右前打でいったんは同点。しかし5失策と守りのミスが続いて、三回以降守勢を強いられた。(森本敦士)

 大量点を背に飛ばす

 高知工のエース片岡が大量点をバックに快調に飛ばした。三―五回は、11打者から7奪三振。切れの良い右打者への内角速球と外角へのスライダーを軸にした投球は、安定感抜群だった。

 五回は、暴投での振り逃げ出塁を含め1イニング4奪三振。県高野連によると、夏の選手権では初めての珍しい記録となった。

 片岡は「追い込んでから低めへの制球がまだ甘い。もっと丁寧にコースに投げ分けたい」。心はもう、次の小津との2回戦に向いている。(青木一英)

(2006年7月17日付・朝刊)


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